実は確定しない売上
俺がやっている事業のリスクについて、改めて気づいたというか明確にな
ったことがある。
それは、請求して入金になってはいるが、その時点でそにゅの売上は確定していない、
ということだ。
会計的に言えばその入金は実は売上ではなく、実質仮受金だ。
我々の仕事は、書類を提出したら終わり、ではなく、その後の調査等を経て、問題無
し、となった時に始めてその売上を受け取る権利が発生することと同じだ。何か問題が
出てきた場合、それが顧客の過失によるものである場合は良いが、そうでない場合もあ
る。またその際に被る被害が金額で明確に出てしまうことで責任が明確になり易い。
実に手離れの悪い、書類を提出した後も安心できず、枕を高くして眠ることもできない
ようなものだ。
よく、定期収入があるから良いですね、と言われ、いわゆるストックビジネスなどとと
いわれるが、その代償は上記のリスクで払っているといって良いと考える。
なので、その利点を充分に享受しつつ、何かあった時に備える一定の貯蓄が必要だ。
それは、日本人特有の貯蓄性向に基づくものではなく、事業の特殊性に基づくものであ
り、俺としては極めて不本意のものだが、この事業をしている以上、致し方の無いこと
だろう。逆にそれをしていない経営者は無能だ、ということになる。
この思いをした者は極めて少ない筈だ。だから俺はこれを生かす。生かし切る。
そうでなければあの屈辱的な出来事が無駄になる。
あの事件を絶対に生かす。そんな事業と決別するのも一法だろう。
だが、当面継続するならそのことを最大限ケアした経営をしないといけない。